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夏の「動悸・息切れ」は何科?猛暑による心臓への負担と受診の目安を解説|大阪市福島区海老江 林クリニック

2026.08.07

「夏場に少し外へ出ただけで、すぐに心臓がバクバクと激しく脈打ち始める」
「炎天下を少し歩いただけなのに、異常なほど汗が噴き出して胸が苦しくなり、呼吸が上がってしまう」

といった症状に不安を感じていませんか?

気温や湿度が非常に高くなる日本の夏は、私たちが想像している以上に心臓や血管といった「循環器系」に過酷な負担をかけています。多くの方は「暑さで体力が落ちているだけ」「夏バテのせいだろう」と我慢して放置してしまいがちですが、猛暑に伴う猛烈な発汗や脱水症状は、心臓のポンプ機能に限界を強いる大きな要因となります。

また、単なる暑さによる一時的な身体反応だけでなく、暑さが引き金となって隠れていた心臓の疾患(不整脈や狭心症など)や貧血症状が表面化しているケースも少なくありません。

本記事では、夏の動悸・息切れの危険性を正しく理解し、適切なタイミングで安全に受診できるよう、専門医の視点から詳しく解説します。

この記事を読むとわかること

  • 夏の猛暑や外出時に「心臓がバクバクする」「息が切れる」という症状が起きる身体的なメカニズム
  • 胸の痛みやめまいなど、直ちに受診が必要な症状かどうかの具体的な危険度チェック基準
  • 動悸・息切れを感じた際に受診すべき診療科と、当院で行う心電図・血液検査による鑑別診断

1. 猛暑が心臓・血管に負担をかけ動悸・息切れを引き起こす主な原因

なぜ、気温が高くなると心臓が激しく波打ち、息切れを起こしやすくなるのでしょうか。そこには、体温を一定に保とうとする人間の生理現象と、脱水に伴う血液循環の変化が深く関係しています。

■脱水による「血液濃縮」と心臓への過度な負担増

猛暑のなかで過ごしたり、少し動いて汗をかいたりすると、体内からは大量の水分と電解質が失われます。

すると、血管の中を流れる血液中の水分量(血漿量)が急激に減少し、血液がドロドロとした粘り気の強い状態(血液濃縮)になります。 ドロドロになった血液を全身の筋肉や重要臓器へ届けるため、心臓は普段以上の強い力でポンプを動かさなければなりません。

さらに、1回あたりの拍出量が低下するため、心臓は「拍動の回数(心拍数)」を急速に増やすことで全身の血流量を維持しようとします。この急激な心拍数の増加が、胸の中で「心臓がバクバクする」という強い動悸として自覚されるのです。

■体温調節のための末梢血管拡張と血圧の急変動

私たちの体は、上昇した体温を外へ逃がそうとする際、全身の皮膚の表面にある末梢血管を大きく広げる(拡張させる)働きをします。

血管が急激に拡張すると、血管内の抵抗が下がって一時的に「血圧」が低下します。 血圧が下がりすぎると、脳への血流が一時的に不足しそうになるため、体は危険を察知して自律神経(交感神経)を一気に働かせます。

これにより、低下した血圧を無理に持ち上げようと心臓が急ピッチで活動を開始し、動悸や胸の圧迫感、激しい息切れを招くことになります。

■自律神経の乱れと隠れた心疾患・貧血の顕在化

酷暑の屋外と、冷房で冷やされた室内を行き来する回数が増えると、体温調整を司る自律神経が疲弊して乱れが生じます。自律神経の乱れは、心拍数を無秩序に増加させ、安静にしている時でも動悸を引き起こす原因となります。

また、元々体内に潜んでいた「不整脈(心房細動など)」や「狭心症(心臓の冠動脈が狭くなる病気)」、「貧血(赤血球不足)」がある方は、夏の暑さによる心臓へのトリプルパンチが引き金となり、症状が一気に悪化して胸の不快感や息切れとして現れている可能性があります。

2. 【セルフチェック】動悸・息切れの受診目安と危険度の判断

夏場に動悸や息切れを感じた際、「少し休めば大丈夫な状態」なのか「すぐに医療機関へ行くべき状態」なのかを見極めるためのセルフチェック基準をまとめました。ご自身の身体の状態と照らし合わせて確認してください。

■【早期受診】:直ちに医療機関へ行くべき危険なサイン

心臓そのものの器質的トラブル(心筋梗塞など)や、重度の脱水・中等症以上の熱中症が進行している極めて危険な状態(レッドフラッグ)です。

具体的な症状:胸の中心がギュッと締め付けられるような強い痛みや圧迫感がある、息がまともにできない・呼吸が浅くて苦しい、意識が遠のく・目の前が暗くなる、冷や汗が止まらない。

対応:命に関わる心血管イベントや重度の循環不全が疑われます。様子を見たり我慢したりせず、直ちに内科・循環器内科を受診してください。意識障害がある場合や激痛が続く場合は、一刻を争うため即座に救急車を要請してください。

■【相談推奨】:医療機関での検査をお勧めするタイミング

日常生活の中で頻繁に不調が繰り返されている状態です。

具体的な症状:暑い場所に行くと必ず心臓がバクバクする、動悸と一緒に激しいめまいや立ちくらみ、強い全身のだるさ(倦怠感)が伴う、少し動くだけで息が上がって動けなくなる。

対応:脱水症状が慢性化している可能性や、貧血、心臓の潜在的な疾患が隠れているリスクがあります。自己判断で放置せず、数日以内に内科を受診して原因を特定するための検査を受けてください。

■【経過観察】:自宅で安静にして様子を見てよい状態

一時的な身体の適応反応であり、休息によって安全に回復した状態です。

具体的な症状:エアコンの効いた涼しい場所に移動し、服のボタンを緩めて冷たい水やスポーツドリンクで水分・塩分を補給したところ、数分〜十数分以内に動悸が自然と落ち着き、普段通りの呼吸に戻った場合。

対応:直ちに病院へ駆け込む必要はありませんが、再発を防ぐために無理な外出を避け、しっかり水分を摂って静養してください。

3. 何科を受診すべきか:まずは「内科」で心臓・脱水の両面からアプローチ

夏場に急な動悸や息切れが起きた場合、脱水対策と合わせて、心臓や血管に危険なトラブルが起きていないかを調べるために「内科」を受診してください。なぜ「内科」の受診が適しているのか、その理由とメリットを詳しく解説します。

■脱水(熱中症)と「心疾患・貧血」の迅速な切り分け

胸のバクバクや息苦しさが、「単なる暑さによる脱水・熱中症の影響」なのか、それとも「隠れていた心不全、不整脈、あるいは深刻な貧血の影響」なのかを自分一人で見極めることは不可能です。

内科を受診することで、全身状態のチェックと合わせて、心臓の運動や血液の成分状態を客観的なデータから正確に判別・鑑別することができます。

■全身状態を捉えた安全な処置と点滴管理

脱水が原因で血液がドロドロになり心臓に強い負担がかかっている場合は、内科で適切な生理食塩水などの点滴投与を受けることで、循環血液量を安全に回復させ、心臓の過剰な拍動を速やかに鎮めることができます。

また、基礎疾患(高血圧や持病など)をお持ちの方に対しても、現在飲んでいるお薬との飲み合わせを考慮した安全な治療方針を立てることができます。

4. 【Q&A】夏の動悸・息切れに関するよくある質問

夏の動悸に対する応急処置や、市販品を使う際の注意点について簡潔にお答えします。

Q1. 暑い日に急な動悸が起きたら、その場でできる正しい応急処置は何ですか?

A. 動悸を感じたら、まずは無理をせず、エアコンの効いた涼しい室内や風通しの良い日陰などの安全な場所に移動してください。衣服のボタンやベルトを緩めて楽な姿勢(座る、または横になる)で安静にします。その後、常温〜適度に冷たい水やスポーツドリンク、経口補水液などで水分と塩分を少しずつ補給しましょう。手のひらや首筋、太ももの付け根などを冷やすことも、体温を下げて心臓への負担を減らすのに非常に有効です。

Q2. 夏バテのだるさを取るために市販の栄養ドリンクを飲んだら、余計に動悸がする気がします。なぜですか?

A. 多くの市販栄養ドリンクやエナジードリンクには、多量の「無水カフェイン」が含まれているからです。カフェインには交感神経を直接刺激して心拍数を上昇させる作用があるため、もともと夏の暑さや脱水で心臓に負担がかかっている状態で摂取すると、動悸をかえって激化させたり、強い利尿作用によって脱水を悪化させたりする恐れがあります。不調を感じる時は自己判断で栄養ドリンクに頼らず、まずは内科への受診をご検討ください。

Q3. 熱中症で動悸や息切れが起こるというのは、それほど危険な状態なのでしょうか?

A. はい、非常に注意が必要です。熱中症の症状は軽度(めまいや大量の発汗など)から重度まで段階がありますが、動悸や息切れ、頭痛や吐き気などが現れるのは、体温調節が追いつかなくなり、全身の血液循環や臓器に大きな負荷がかかり始めている「中等症」以上のサインである可能性が高いためです。涼しい場所で休んで水分を摂っても症状がすっきりと改善しない場合は、重症化を防ぐためにも早めに内科を受診することが極めて重要です。

まとめ:夏の胸の不快感にお困りの方には、大阪市福島区海老江の林クリニック

本記事は、大阪市福島区海老江にある「林クリニック」林為仁医師の監修のもと作成されています。

夏の猛暑による「胸の動悸」「急な息切れ」「激しい体のだるさ」を訴えてご来院される患者様が数多くいらっしゃいます。当院では、胸の不快感でお困りの方に対して、以下のような専門的な内科診療と検査を行っています。

迅速な心電図検査による心臓のチェック:心臓の電気信号を記録する「心電図検査」をその場で行い、危険な不整脈や心筋の虚血状態(狭心症など)が起きていないかを迅速かつ確実に診断します。

血液検査による脱水・貧血・炎症の客観的評価;採血を行うことで、体内の血液濃縮の度合い(脱水状態)をはじめ、隠れた貧血の有無、電解質のバランス、内臓への負担度合いを数値として正確に把握します。

原因に合わせた的確な治療と安全指導:不快な症状が「熱中症(脱水)」によるものなのか、あるいは「別の内科的・循環器疾患」によるものなのかをしっかりと見極め、点滴治療や適切な処方、生活面でのアドバイスを行います。

「暑さのせいだから少し休めば大丈夫だろう」「歳だから息が切れるのだろう」と自己判断で我慢しすぎず、夏の健康に不安を感じた際は、海老江の当院へお気軽にご相談ください。

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