【注意】便に血が混じった!痔だと思っても受診すべき理由と受診目安を専門医が解説|大阪市福島区海老江 林クリニック
2026.05.28「トイレの後、便の表面に赤い血がついているのに気づいた」
「トイレットペーパーで拭いたときに血がにじんでヒヤッとした」
といった経験はありませんか?
便に血が混じる「血便」は、どなたにとっても非常にショックが大きく、不安になりやすい症状です。しかしその一方で、「お尻が少し切れただけだろう」「昔から痔があるから、いつもの出血だ」と自己判断し、そのまま様子を見てしまう方が非常に多い症状でもあります。 大阪市福島区・海老江周辺で診療を行う当院でも、「もっと早く検査を受けていれば……」と後悔される患者様を一人でも減らしたいという思いで日々外来を行っています。血便は大腸からの重要な警告かもしれません。
本記事では、その正しい原因と、見逃してはいけない受診の目安を詳しく解説します。
この記事を読むとわかること
- 便に血が混じる血便・下血を引き起こす、痔から大腸がん、虚血性大腸炎までの病態メカニズム
- 「痛みがない血便」ほど警戒が必要な理由と、直ちに受診すべき危険なサイン(レッドフラッグ)
- 林クリニックで行う、鎮静剤を活用した苦痛の少ない大腸カメラ検査と治療・予防アプローチ
1. 主な原因の可能性:血便の正体を見分ける医学的背景
ひと口に「血便」と言っても、出血している場所(肛門、直腸、結腸など)や、その原因となる疾患によって血の色や混じり方は大きく異なります。

■痔(いぼ痔・切れ痔):最も身近だが油断できない原因
血便の原因として最も頻度が高いのは確かに「痔」です。
いぼ痔(内痔核):肛門の奥の静脈がうっ血して(または、腫れて)いぼ状になる病気です。排便時に硬い便が擦れることで、ペーパーに鮮血(鮮やかな赤い血)がついたり、便器が赤くなるほどのポタポタとした出血が見られたりします。肛門の内側で起きるため、基本的には「痛みを伴わない」のが特徴です。
切れ痔(裂肛):肛門の皮膚が裂けることで起こります。こちらは排便時に強い「ピリッとした痛み」を伴い、ペーパーに少量の鮮血がつきます。
■大腸ポリープ:将来のがんの芽(最大の警戒が必要)
大腸の粘膜にできる良性のイボ(腫瘍)です。
メカニズム:ポリープが徐々に大きくなると、便が通り過ぎる際にポリープの表面が擦れてじわじわと出血します。 隠れた危険:腸の内部には痛みを感知する神経がないため、大腸ポリープによる出血は「全く痛みを伴わない」のが特徴です。「痛くないから大丈夫」という思い込みが、がん化前のポリープを見逃す最大の原因になります。
■大腸がん:早期発見が命を救う
大腸の粘膜に悪性腫瘍ができる病気です。
メカニズム:がん組織の表面は非常に脆く、出血しやすい状態になっています。便がここを通過する際に出血し、便の全体に血が混ざったり、粘液(ドロッとしたもの)に血が混じったような便が出たりします。ポリープと同様、初期の大腸がんは「お腹も肛門も全く痛まない」ため、血便だけが唯一のサインとなります。
■虚血性大腸炎:突然の腹痛と下血
大腸へ血液を送る血管が一時的に詰まり、腸の粘膜が血流不足(虚血)を起こして炎症や潰瘍を生じる病気です。
特徴:突然の激しい腹痛(特にお腹の左側)が起きた後、何度も下痢になり、その後に比較的まとまった量の鮮血や暗赤色の血便が出るのが典型的なパターンです。高齢の方や、便秘がちな女性に多く見られます。
2. 受診の目安:重篤なサイン「レッドフラッグ」を見逃さない
血便が出た際、最も危険なのは「痔のせいにして放置すること」です。以下の目安を参考に、ご自身の今の状態をチェックしてください。
■【緊急受診】直ちに医療機関、または救急へ
激しい腹痛や冷や汗を伴う:突然の激しいお腹の痛みとともに血便が出た場合は、虚血性大腸炎の重症化や、腸管の血流障害など、一刻を争う病態のリスクがあります。
めまい、立ちくらみ、ふらつきがある:出血の量が多いため、あるいは持続的な出血によって重度の貧血を引き起こしているサインです。血圧が低下して意識が遠のく危険があるため、直ちに受診が必要です
■【早期受診】数日以内に専門医へ
痛みはないが、血便が繰り返し続く:肛門の痛みがないにもかかわらず、便に血が混じる状態が何日も続く場合は、大腸ポリープや大腸がん、潰瘍性大腸炎などの器質的な病変が強く疑われます。
便が細くなった、残便感がある:出血だけでなく、「最近便が鉛筆のように細くなった」「排便後もすっきりせず、便が残っている感じがする」という場合は、直腸やS状結腸に大きな腫瘍(がん)ができて通り道が狭くなっている可能性を考慮する必要があります。
■【相談推奨】一度しっかり確認を
一度だけ便に血がついたが、その後は出ない:出血が止まったように見えても、ポリープやがんからの出血は「出たり出なかったり」を繰り返すのが特徴です。「治った」と勘違いせず、一度相談すべきタイミングです。
3. 何科を受診すべきか:消化器内科が最適です
血便を見つけたとき、お尻の病気だからと「肛門科」へ行くべきか、それとも「内科」へ行くべきか迷われると思います。結論から申し上げますと、最もお勧めなのは「消化器内科」の受診です。

■出血源が「肛門」か「大腸の奥」かを正確に見分ける
血便があった際、それが肛門の痔によるものなのか、それとも腸の奥の大腸がんによるものなのかは、外見や症状の自己申告だけでは100%判別できません。消化器内科であれば、「大腸カメラ(大腸内視鏡検査)」を用いて、肛門から盲腸(大腸の最深部)まで全体の粘膜を直接観察し、出血の根本原因を完全に突き止めることができます。
■ポリープであれば、その場で予防・治療ができる
大腸カメラ検査の際、もし将来がん化するリスクのある大腸ポリープが見つかった場合、消化器内科の専門医であれば、その場でポリープを切除(日帰りポリープ切除術)することが可能です。つまり、「検査」と同時に「大腸がんの予防・治療」まで一気に行えるのが、消化器内科を受診する最大のメリットです。
4. 【Q&A】血便に関するよくある質問
血便に気づいた際、患者様から特に多く寄せられる不安や疑問について、Q&A形式で詳しく解説します。
Q1. 健康診断の「便潜血検査」で陽性が出ました。一度きりの陽性なら、再検査(大腸カメラ)は受けなくても大丈夫ですか?
A. いいえ、決して大丈夫ではありません。大腸がんやポリープからの出血は毎日持続するわけではなく、便が擦れたときだけ間欠的に出ます。そのため、2回のうち1回でも陽性が出たということは、「腸のどこかで出血が起きた事実」を示しています。放置せず、必ず精密検査として大腸カメラを受けてください。
Q2. 便の色が真っ赤ではなく、少し黒っぽい(あるいは暗い赤)のですが、これも血便ですか?
A. はい、それも血便(あるいは下血)の一種です。一般的に、肛門に近い場所(直腸など)からの出血は鮮やかな赤色になりますが、大腸の奥(盲腸や上行結腸)からの出血は、便が腸内を移動する間に時間が経つため、暗い赤色やレンガ色になります。さらに上部の胃や十二指腸からの出血は真っ黒な「タール便」になります。どの色であっても、色の変化に気づいた時点で受診が必要です。
Q3. 痔の自覚症状(いぼ痔がある)がある場合でも、大腸カメラは受けたほうがいいですか?
A. 強くお勧めします。医療の現場では「痔と大腸がんが同時に存在していた」というケースは決して珍しくありません。「痔があるからこの血も痔のせいだ」と思い込んでいる間に、大腸の奥でがんが進行してしまうのが最も危険なシナリオです。血が出たときは、一度腸内をリセットして確認するつもりで検査を受けましょう。
まとめ:血便が出て不安を感じている方へ:林クリニックの大腸がん予防と診療体制
本記事は、大阪市福島区海老江にある「林クリニック」林為仁医師の監修のもと作成されています。
当院は、血便の不安を抱えて来院される地域の皆様の健康を守るため、以下の万全の体制で診療を行っています。
鎮静剤を用いた苦痛のない大腸カメラ:「検査が怖い」「以前受けたときに痛かった」という精神的・身体的負担に最大限配慮し、鎮静剤(静脈麻酔)を使用して、うとうと眠っているようなリラックスした状態で受けられる大腸内視鏡検査を提供しています。
徹底した大腸がんの早期発見・日帰りポリープ切除:消化器内視鏡専門医が、微細な病変も見逃さない精密な観察を行います。検査中に切除可能なポリープが見つかった場合は、その場で切除を行い、将来の大腸がんを未然に防ぎます。
迅速かつ丁寧なカウンセリング:「恥ずかしいから」「怖いから」と受診をためらってしまうお気持ちに寄り添い、まずは問診とお腹の診察から丁寧に行います。検査の必要性から結果の解説まで、患者様が十分に納得いただけるまで分かりやすくご説明いたします。 血便は、体からの非常に分かりやすい「点検してほしい」というメッセージです。
自己判断で放置せず、海老江駅・野田阪神駅から徒歩圏内にある当院へ、どうぞお早めにお気軽にご相談ください。