BLOG BLOG

お酒を飲まないのに肝機能の数値(AST/ALT)が高い?脂肪肝の受診目安|大阪市福島区海老江 林クリニック

2026.09.15

「普段お酒はほとんど飲まないのに、健康診断の結果表を見たらASTやALT、γ-GTPの数値が高くて『要再検査』になっていた」
「腹部エコー検査で『脂肪肝』と指摘されたけれど、体に痛いところもだるさも何もないから放っておいている」

という方はいらっしゃいませんか?

肝機能の数値異常というと、「お酒の飲み過ぎ」を連想される方が非常に多いです。しかし近年、飲酒習慣が全くない、あるいは機会飲酒程度の方であっても、過剰な糖質摂取や運動不足、インスリンの効きにくさなどを背景に、肝臓に中性脂肪が過剰に蓄積する「代謝異常関連脂肪性肝疾患(MASLD/旧NAFLD)」を発症する患者様が急増しています。

肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれ、強い炎症や脂肪沈着が起きていても初期には自覚症状がほとんど現れません。そのため、「自覚症状がないから大丈夫」と放置してしまうと、気づかないうちに慢性肝炎から肝硬変、さらには肝臓がんへと静かに病状が進行してしまう恐れがあります。

本記事では、健診で肝臓の異常を指摘された方が、将来の重篤な肝障害を未然に防ぎ、適切な二次検査へ進めるよう、非アルコール性の脂肪肝の原因と受診の目安を消化器内科専門医が詳しく解説します。

この記事を読むとわかること

  • お酒を飲まない人でも肝機能異常や脂肪肝が急増している医学的原因(MASLD/旧NAFLD)
  • 黄疸や茶褐色尿、健診での要精密検査判定など、見逃してはいけない受診目安
  • 脂肪肝の精密検査で消化器内科を受診すべき理由と、当院での腹部エコー検査・生活改善サポート体制

1. お酒を飲まないのに肝臓に脂肪が溜まる4つの主な原因と病態メカニズム

脂肪肝とは、肝細胞の総数のうち30%以上に中性脂肪が過剰蓄積した状態を指します。お酒を飲まないにもかかわらず肝細胞に中性脂肪が溜まり、血液検査の「AST(GOT)」や「ALT(GPT)」が上昇してしまう背景には、以下の4つの主な原因が関係しています。

■糖質や脂質の過剰摂取(特に「果糖」の過剰)

脂肪肝の最大の引き金となるのが、日常的な食事における余剰エネルギーの蓄積です。 特に警戒が必要なのが、清涼飲料水や甘いお菓子、加工食品に多く含まれる「果糖(異性化液糖・高果糖液糖)」です。ブドウ糖は全身の筋肉や細胞でエネルギーとして消費されますが、果糖の大部分は肝臓でダイレクトに代謝されます。

そのため、ジュースや菓子パン、白米・麺類などの炭水化物を過剰に摂取すると、消費しきれなかった糖分が肝臓内で急速に「中性脂肪」へと作り変えられ、肝細胞の中にびっしりと溜まり込んでしまいます。

■インスリン抵抗性(代謝異常)による脂肪蓄積

長時間のデスクワークによる運動不足や内臓脂肪型肥満が続くと、血糖値を下げるホルモンである「インスリン」の効き目が悪くなる「インスリン抵抗性」が生じます。 インスリンが効きにくくなると、体は血糖値を維持するためにインスリンを過剰に分泌し続けます。血液中に高濃度のインスリンが溢れると、肝臓での中性脂肪合成が強力に促進される一方で、体内の脂肪組織から遊離脂肪酸が肝臓へ次々と流れ込んでしまいます。

この代謝異常の連鎖により、太り気味の方はもちろんのこと、一見すると標準体型の方であっても肝臓だけに脂肪が蓄積する「隠れ脂肪肝」が形成されるのです。

■無理な極端ダイエット(低栄養性脂肪肝)の落とし穴

「若い頃より体重を落とそうと、短期間で極端な食事制限ダイエットを行った」という方に多く見られるのが「低栄養性脂肪肝(飢餓性脂肪肝)」です。 極端に食事量を減らしてタンパク質などの栄養が著しく不足すると、体は生命を維持するためのエネルギーを補おうとして、全身の筋肉を分解し始めます。

その結果、筋肉や末梢の脂肪組織から大量の脂肪酸が肝臓へ集中して流れ込み、肝臓内に中性脂肪として溜め込まれてしまいます。さらに、肝臓から脂肪を運び出すために必要なタンパク質(アポ蛋白)が体内で作れなくなるため、肝臓から脂肪を排出できなくなり、痩せているのに重度の脂肪肝に陥ってしまうという皮肉な現象が起こります。

■「自分では飲んでいないつもり」の隠れたアルコール要因

「普段ほとんど飲まない」と自覚していても、週末にまとまった量の飲酒をしていたり、知らず知らずのうちにアルコール度数の高いお酒を常用していたりする場合、アルコール毒性によって直接的に肝細胞が障害を受け、脂肪沈着や炎症が加速することがあります。非アルコール性の要因に少量のアルコールが重なることで、肝障害の進行リスクは跳ね上がります。

2. 【セルフチェック】脂肪肝・肝機能異常の受診目安と危険なサイン

肝機能の数値異常を指摘された際、「すぐに病院へ行くべきか」「次回の健診まで生活改善で様子を見るべきか」を判断するためのセルフチェック基準を整理しました。ご自身の状態を確認し、適切な行動にお役立てください。

■【早期受診】直ちに医療機関を受診すべき危険なサイン

肝臓の機能が大きく低下しているか、急性肝炎や進行した肝硬変へ向かっている極めて危険な状態(レッドフラッグ)です。

〈具体的な症状〉

  • 鏡を見たときに、目の白目の部分や皮膚が明らかに黄色っぽくなっている(黄疸のサイン)。
  • 尿の色が普段よりも明らかに濃く、ウーロン茶や濃い茶褐色のような色をしている。
  • 十分に休息をとっているにもかかわらず、起き上がれないほどの激しい倦怠感やだるさが何日も抜けない。
  • お腹が不自然に張ってくる(腹水の疑い)や、足のすねを指で押すと痕が戻らないような強いむくみがある。

〈対応〉

肝不全や重度の胆汁うっ滞を起こしている可能性があります。一刻を争うため、迷わず速やかに消化器内科・内科を受診してください。

■【相談推奨】医療機関での精密検査をお勧めするタイミング

自覚症状は乏しいものの、体内で肝細胞の破壊や線維化が進行している疑いがある状態です。

〈具体的な症状〉

  • 健康診断や人間ドックで、「AST(GOT)」「ALT(GPT)」「γ-GTP」の数値が基準値を大幅に超えており、「要精密検査」「要再検査」の判定が出た。
  • 健診の判定で「腹部エコー検査で脂肪肝の疑い」と記載されている。
  • 肥満、高血圧、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病をすでに指摘されている。

〈対応〉

自覚症状がないからと放置することは非常に危険です。脂肪肝の進行度や炎症の有無を白黒つけるため、1ヶ月以内を目安に消化器内科へ相談してください。

■【経過観察】生活習慣を見直しながら次回の健診で追跡

〈具体的な症状〉

数値の上昇がわずかな軽度異常にとどまっており、自覚症状は全くなく、甘いものや脂っこい食事を控えるなど食事・体重のコントロールを自主的に開始したばかりである場合。

〈対応〉

直ちに治療薬が必要になる可能性は低いですが、生活改善の成果が出ているかを確認するため、数ヶ月〜半年後に血液検査で数値を再確認するか、次回の定期健診を確実に受診してください。

3. 何科を受診すべきか:肝臓を専門領域とする「消化器内科」へ

健康診断で肝機能の数値を指摘された場合、一般的な内科クリニックへ行くべきか、それとも専門の診療科へ行くべきか迷われる方が多くいらっしゃいます。

結論として、肝機能の異常値や脂肪肝の疑いを指摘された場合は、肝臓疾患を専門的に診療できる「消化器内科」、あるいは肝臓の診断体制が整った「内科」を受診することが最も確実です。

なぜ一般的な診察だけでなく消化器内科を選ぶべきなのか、その明確な理由とメリットを解説します。

■痛みのない「腹部超音波(エコー)検査」による高精度な肝臓観察

血液検査だけでは、「肝臓にどれくらい脂肪がついているのか」「表面が硬くなっていないか」を直接見ることはできません。消化器内科では、ゼリーをお腹に塗ってプローブをあてるだけの痛みのない「腹部エコー検査」を迅速に行うことができます。

エコー検査を行うことで、肝臓が白く輝いて見える「脂肪沈着の度合い」や、肝臓の腫大、肝表面の凹凸(線維化・硬さの兆候)、胆石の有無などをリアルタイムで安全かつ詳細に評価できます。

■単なる脂肪沈着か「炎症を伴う脂肪性肝炎(MASH)」かの見極め

脂肪肝には、脂肪が溜まっているだけで比較的予後の良い「単純性脂肪肝」と、肝細胞に持続的な炎症と破壊が起き、将来的に肝硬変や肝がんへと進行するリスクが高い「代謝異常関連脂肪性肝炎(MASH/旧NASH)」の2種類が存在します。

消化器内科の専門医であれば、精密な血液検査(FIB-4インデックスなどの線維化マーカーの測定)とエコー画像を組み合わせ、炎症が進行していないかを的確に鑑別・評価することが可能です。

■肝臓に負担をかけない「オーダーメイドの医学的管理と生活指導」

脂肪肝に対する根本的な治療法は、単に薬を飲むことだけではありません。消化器内科では、基礎疾患(糖尿病や脂質異常症など)の有無を総合的に診ながら、患者様一人ひとりの食生活や運動習慣に合わせた具体的な生活改善プランを立案し、無理のないペースで肝臓の脂肪を減らす医学的指導を提供します。

4. 【Q&A】脂肪肝・肝機能異常に関するよくある質問

外来で患者様から特によくいただく疑問について、医学的根拠に基づき簡潔にお答えします。

Q1. 脂肪肝を改善するには、どのような食事を心がければ良いですか?

A. 揚げ物や肉の脂身などの「油分」を減らすだけでなく、清涼飲料水、菓子類、菓子パンなどに含まれる「果糖」や、白米・麺類などの炭水化物の過剰摂取を控えることが極めて重要です。肝臓に溜まった中性脂肪は、適切な食事管理(糖質制限やタンパク質の適正摂取)と、週数回の有酸素運動によって効率よく減らすことができますので、まずは早期に消化器内科でアドバイスを受けることをお勧めします。

Q2. 脂肪肝は、一度なってしまったら元の綺麗な肝臓には戻らないのですか?

A. いいえ、肝臓は非常に高い再生能力を持つ臓器です。肝硬変のような末期の不可逆的な状態にまで達していなければ、体重を元の体重の約5〜7%減量し、生活習慣を整えることで、肝臓に溜まった中性脂肪を排出し、正常で健康な肝臓へと十分に回復させることが可能です。

Q3. お酒を全く飲まないのに肝硬変や肝がんになることがあるというのは本当ですか?

A. はい、本当です。お酒を飲まない方の脂肪肝であっても、炎症を伴うタイプ(MASH)を放置すると、約5〜10年の経過で肝臓組織が徐々に線維化して硬くなり、肝硬変や肝臓がんを発症するリスクがあります。自覚症状がないからこそ、健診での数値異常を早期発見の好機と捉えることが不可欠です。

まとめ:脂肪肝・肝機能再検査は、大阪市福島区海老江の林クリニック

本記事は、大阪市福島区海老江にある「林クリニック」林為仁医師の監修のもと作成されています。

当院のある大阪市福島区・海老江周辺では、デスクワーク中心で働く世代の方や、生活習慣の乱れが気になる方などから、『お酒を飲まないのに健診で脂肪肝と言われた』『ASTやALTの再検査を受けたい』といったご相談で来院される方が増えています。

海老江駅近くにある当院では、消化器内科の確かな専門性を活かし、以下のような丁寧で安心の肝臓精密検査・診療を提供しています。

高精度な腹部超音波(エコー)検査体制:お体に痛みや被曝の負担がない超音波検査を用い、肝臓への脂肪の沈着度合いや肝臓の硬さ(線維化)、胆嚢や膵臓の状態をリアルタイムで精密にチェックします。

迅速な採血による肝機能・線維化リスクの評価:AST、ALT、γ-GTPといった基本項目に加え、肝臓の炎症レベルや血小板数、各種マーカーを網羅的に測定し、病気の現在地を的確に診断します。

患者様に寄り添った実践的な生活改善指導:「食事制限を続けられない」「何をどう変えればいいか分からない」という方のために、日々のライフスタイルに合わせた無理のない食事法や運動のコツを丁寧にアドバイスし、肝臓の健康回復を親身にサポートいたします。

「症状がないからまだ大丈夫だろう」と後回しにせず、大切な肝臓を将来の病気から守るために、海老江駅・野田阪神駅からアクセス良好な当院へどうぞお気軽にご相談ください。

SERVICE